笠間氏といえば、常陸の笠間氏が思い当たるが、それ以外の国にも笠間氏を称する一族がいたことが、研究により知られている。私見では、安芸国、伊予国に存在した。 まず、安芸国の笠間氏に関してわかっていることをまとめる意味で記事を執筆する。 鎌倉時代…

・笠間綱家の妻について 『佐竹分脈系図』の大山氏の項で大山因幡守義景の娘が、「笠間孫三郎綱家ニ嫁ス」との記載がある。 また、大山氏からの嫁入りを勧めたのは、家宰である寺崎氏の可能性が高い。 『諸士系図』の寺崎氏の項で、「天正十五六年の頃、綱家…

・笠間綱家の花押は2種類確認されている。 パターン1は下記のような天正年間～天正18年に用いられた花押です。 ・パターン2は下記のような花押です。天正19年以降の文書に見られるもので、宇都宮氏から闕所処分となり、宇都宮の館に幽閉されていたと思われる…

対象となる書状 今回の記事の対象となる書状は次の通りである。 史料1 佐竹義重書状(多功文書、五月廿二日) 史料2 宇都宮国綱書状写(寺崎文書、霜月九日) 月井説(史料1) 栃木県立文書館研究紀要第15号 月井剛『笠間氏の服属過程一起請文の交換に着目して一』…

常陸国の地図からみた笠間氏 茨城県立図書館デジタルライブラリーの中に、常陸国図(小島忠利写)がある。 その笠間の横に説明書きとして「宇都宮朝綱孫朝業二男時朝築之十七代笠間休心属北條氏天正年中廃ス」と記されている。下部には引書として『古今類聚常…

笠間幹綱とは何者か？ 笠間幹綱の名は、『関八州古戦録』の中で、戦国期の笠間氏当主として登場している。ただ、私が知る限り一次史料の中で笠間幹綱は出てこない。このことから、笠間幹綱と同時期に活躍していた笠間綱家と同一人物とする説があるが、果たし…